おくのほそ道
- onononor
- 2019年9月29日
- 読了時間: 4分
俳人である松尾芭蕉の紀行文
序章
月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也。
船の上に生涯をうかべ馬の口をとらえて老いをむかふる物は、日々旅にして、旅を栖とす。
草の戸も 住替る代ぞ ひなの家
くさのとも すみかわるよぞ ひなのいえ
旅立
行春や 鳥啼魚の 目は泪
ゆくはるや とりなきうおの めはなみだ
草加(そうか)
室の八島(むろのやしろ)
仏五左衛門(ほとけござえもん)
日光(にっこう)
あらたうと 青葉若葉の 日の光
あらたうと あおばわかばの ひのひかり
剃捨て 黒髪山に 衣更 ※曾良
そりすての くろかみやまに ころもがえ
暫時は 滝に籠るや 夏の初
しばらくは たきにこもるや げのはじめ
那須(なす)
かさねとは 八重撫子の 名成べし ※曾良
かさねとは やえなでしこの ななるべし
黒羽(くろばね)
夏山に 足駄を拝む 首途哉
なつやまに あしだをおがむ かどでかな
雲巌寺(うんがんじ)
竪横の 五尺にたらぬ 草の庵 むすぶもくやし 雨なかりせば
たてよこの ごしゃくにたらぬ くさのいお むすぶもくやし あめなかりせば
木啄も 庵はやぶらず 夏木立
きつつきも いおはやぶらず なつこだち
殺生石・遊行柳(せっしょうせき・ゆぎょうやなぎ)
野を横に 馬牽きむけよ ほととぎす
のをよこに うまひきむけよ ほととぎす
田一枚 植え立去る 柳かな
たいちまい うえたちさる やなぎかな
白河の関(しらかわのせき)
卯の花を かざしに関の 晴着かな ※曾良
うのはなを かざしにせきの はれぎかな
須賀川(すかかわ)
風流の 初やおくの 田植うた
ふうりゅうの はじめやおくの たうえうた
世の人の 見付ぬ花や 軒の栗
よのひとの みつけぬはなや のきのくり
あさか山(あさかやま)
しのぶの里(しのぶのさと)
早苗とる 手もとや昔 しのぶ摺
さなえとる てもとやむかし しのぶずり
佐藤庄司が旧跡(さとうしょうじがきゅうせき)
笈も太刀も 五月にかざれ 紙幟
おいもたちも さつきにかざれ かみのぼり
飯塚(いいづか)
笠島(かさしま)
笠島は いづこさ月の ぬかり道
かさしまは いづこさつきの ぬかりみち
武隈(たけくま)
桜より 松は二木を 三月越シ
さくらより まつはふたきを みつきごし
宮城野(みやぎの)
あやめ草 足に結ん 草鞋の緒
あやめそう あしにむすばん わらじのお
壺の碑(つぼのいしぶみ)
末の松山(すえのまつやま)
塩竈(しおがま)
松島(まつしま)
松島や 鶴に身をかれ ほととぎす ※曾良
まつしまや つるにみをかれ ほととぎす
石の巻(いしのまき)
平泉(ひらいずみ)
夏草や 兵どもが 夢の跡
なつくさや つわものどもが ゆめのあと
卯の花に 兼房みゆる 白毛かな ※曾良
うのはなに かねふさみゆる しらがかな
五月雨の 降のこしてや 光堂
さみだれの ふりのこしてや ひかりどう
尿前の関(しとまえのせき)
蚤虱 馬の尿する 枕もと
のみしらみ うまのしとする まくらもと
尾花沢(おばなざわ)
涼しさを 我宿にして ねまる也
すずしさを わがやどにして ねまるなり
這出よ かひやが下の ひきの声
はいいでよ かひやがしもの ひきのこえ
まゆはきを 俤にして 紅粉の花
まゆはきを おもかげにして べにのはな
蚕飼する 人は古代の すがた哉 ※曾良
こがいする ひとはこだいの すがたかな
立石寺(りゅうしゃくじ)
閑さや 岩にしみ入 蝉の声
しずかさや いわにしみいる せみのこえ
最上川(もがみがわ)
五月雨を あつめて早し 最上川
さみだれを あつめてはやし もがみがわ
羽黒(はぐろ)
有難や 雪をかほらす 南谷
ありがたや ゆきをかほらす みなみたに
涼しさや ほの三か月の 羽黒山
すずしさや ほのみかげつの はぐろやま
雲の峰 幾つ崩て 月の山
くものみね いくつくずれて つきのやま
語られぬ 湯殿にぬらす 袂かな
かたられぬ ゆどのにぬらす たもとかな
湯殿山 銭ふむ道の 泪かな ※曾良
ゆどのやま ぜにふむみちの なみだかな
酒田(さかた)
あつみ山や 吹浦かけて 夕すずみ
あつみやま ふくうらかけて ゆうすずみ
暑き日を 海にいれたり 最上川
あつきひを うみにいれたり もがみがわ
象潟(さきがた)
象潟や 雨に西施が ねぶの花
さきがたや あめにせいしが ねぶのはな
越後路(えちごじ)
一振(いちぶり)
那古の浦(なごのうら)
金沢(かなざわ)
小松(こまつ)
那谷(なたに)
山中(やまなか)
全昌寺・汐越の松(ぜんしょうじ・しおこしのまつ)
天竜寺・永平寺(てんりゅうじ・えいへいじ)
等栽(とうさい)
敦賀(つるが)
種の浜(いろのはま)
大垣(おおがき)
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